吉祥寺の商店街で超有名なメンチと羊羹からの戦略的思考法。

一番写真

「実践されない知識は無用の長物」と言われていますが、一般的な?オバサンがそれを検証したらこうなりました。果たして、この実践は氏の意図するものと合っているのでしょうか?



マーケティングコンサルタント松田久一氏とは

彼のサイト「エム・ネクスト」によると・・・

兵庫県生まれ。1980年、同志社大学卒業後、1958年創立の株式会社日本マーケティング研究所に入社。

東京を拠点に消費財及び情報家電メーカーのマーケティングリサーチ、戦略経営及びコンサルティングを得意とする。

最近では、地方及び中央等の行政機関の諸委員、地方経済再生プロジェクトへの参画、シンポジウム、セミナーのコメンテーターなどへ活動を広げている。

かなり、賢い方です。で、氏が運営されいるサイト「エム・ネクスト」の趣旨は・・・

戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト] エム・ネクストとは?マーケティング、戦略経営、コンサルティングに従事してきた松田久一による、歴史から現代の経営戦略まで、幅広い内容の論文をごらんいただけます。

です。 ちなみに氏のサイトであるエム・ネクストはこちら http://www.jmrlsi.co.jp/menu/mnext/index01.html

そんな論文の中に今回のテーマになったキーワードがありました! 「II.現代の戦略とマーケティング」の中の「1.戦略思考を鍛える」の中の「第1章 目的の設定の仕方 目的と手段関係の明確化」の3番目に。 それは[二番手戦略も優れた目的設定のひとつである]です。



二番手戦略とは 論文によると・・・

自社の手段の限界を冷静に見極めたうえでの「二番手戦略」という目的設定は、ひとつの賢明な判断である。

興味のある方は以下のサイトに行ってみてください。 http://www.jmrlsi.co.jp/menu/mnext/d02/01/ss01.html

ここでは味の素の「マヨネーズ」が例に出されていました。ちょっと長めの引用ですが、面白いから読んでみて下さい。

味の素が1970年代以降に展開した多角化事業がよい事例である。同社はマヨネーズ、インスタントコーヒー、マーガリンと多角化していったが、いずれもシェアは2位である。巨大な強者には勝てるはずもなく、戦略目標を二番手においたのである。そこから導き出された手段が「ベター&ディファレンス」という製品差別化戦略である。マヨネーズを例にとると、当時の参入企業はキユーピーの味(酸味がきつい)を真似る製品で完敗してきたが、同社はマイルドなアメリカンタイプの味に仕上げた製品で参入し、その地位を確保したのである。

だ、そうです。 ベター&ディファレンス・・・?英語が苦手な者でいまいちピンときません。

better(ベター)=比較的良いこと、比較的よいさま difference(ディファレンス)=違い、相違。

ふ〜〜〜〜〜〜〜〜む・・・・・。

吉祥寺の行列店を例に取ってみると

吉祥寺の並んじゃうお店のツートップと言えば、路地を挟んだお隣さん同士の「メンチのサトウ」と「羊羹の小ざさ」です。

左が小ざさ、右がサトウ

両店とも並び方に差こそあれ、話題の一番商品を購入するのはかなりの苦労をしいられます。

メンチカツ専用の列。左奥がお店

 

こちらは「常に行列が絶えない」状態のミートショップサトウ。列に並んでいる人々の目的は「1個180円のメンチカツ」。まん丸いメンチカツで外はガリガリ中はフワッフワッ。松阪牛を使用していることもあり、口の中に肉汁が広がるそうです。

小ざさはホントに小さなお店

小ざさはホントに小さなお店

一番人気の羊羹購入には整理券が必要で、それを求める人の列が早いときには深夜1時から行列が出来ると言う、常軌を逸した並び様です。ちょっと色が薄めの羊羹で、すっきりとした甘みだそうです。1棹580円で1日150本限定。1人5本まで購入可能ですが、常連客は当たり前のように1人で5本買っていくようです。 さて、ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この両店へのコメント、いつもと少し書き方が違っています。分かった方には座布団3枚っ!(ウソです)

答え:「〜そうです。」「〜だそうです。」「〜のようです。」と文末が断定しない形を取っています。 何故でしょうか?それは「私がメンチも羊羹もまだ食べたことが無いから」。 理由はとてもシンプルです。 「だってオバサン、疲れるからそんなに長く並びたくない」です。疲れたら身も蓋もないし「それに割く労力と時間がもったいない」と、思えるからでしょうか。 さて、ここで松田氏の理論[二番手戦略も優れた目的設定のひとつである]を自分の(オバサンの)身の上に、例として「吉祥寺の行列店」をモデルにし、検証してみましょう。



オバサンに氏の理論を被せてみると・・・

再度の引用になりますが、松田氏は以下のように書いています。

自社の手段の限界を冷静に見極めたうえでの「二番手戦略」という目的設定は、ひとつの賢明な判断である。

ここで書かれている「自社」とは「私」であり、「手段の限界」とは「こんなに待てない」もしくは「そこまで労力を出せない」です。この展開は正しいと思います。何故なら、この流れで行けば次の文章の「冷静に見極めたうえで〜」に素直に繋がるからです。

はい、素直に冷静に見極めました。 「これ以上長く並ぶ体力が私には無い」もしくは「同伴している旦那の忍耐力もそんなには無い」と判断し「二番手戦略」に切り替えました。 そうです、この目的設定の変更は「ひとつの賢明な判断」でもあるんです。

店頭の柱にはこんな張り紙が

店頭の柱にはこんな張り紙が

新しい「目的設定」とは、この場合「吉祥寺の有名店で美味しいモノを食べてみたい」であり、言い換えれば「美味しければ店一番の人気商品でなくてもよい」と、仮定します。これがオバサン的な「二番手戦略」のでしょうか。 もしくは「一番手戦略」を「MAX並ぶ(とてつもなく労力を使う)」とした場合、「二番手戦略」は「なるだけ並ばない(楽してチャレンジ)」に当たるかも知れません。



オバサンが実践するとどうなるか?

「二番手戦略」=「二番手商品」を選んだ時点で、「MAX並ぶ(途方もなく労力をつかう)」の路線は除外されます。そして、「二番手商品」の選択は以下の通りです。

「ミートショップサトウ」の場合は、焼き豚や肉団子、牛の串カツなど魅力的な商品が多々ある中、唯一ガラスケースにキャッチコピーが添付されていた、同じ揚げ物系だけど中身が違う「コロッケ」になると思われます。

コリッケだけプレートが付いている

コロッケだけプレートが付いている

「小ざさ」における二番手商品の選択は簡単です。何故なら、「小ざさは羊羹と最中の二種類しか商品がない」からです。正確には最中は赤(あんこ)と白(白あん)の二種類があるため3商品になりますが、ここは一先ず二品構成と言う事で話しを進めます。 実践した結果「両店とも一番商品以外も十分に美味しい」との結論に至りました。 ミートショップサトウの長蛇の列は「メンチカツ専用ライン」で、他のお客さんは横のレジからヒョイヒョイ買えちゃいます。 小ざさの方もあっけないくらい、簡単に買えます。それもバラ売りOKで。両店とも購入まで5分も待たされませんでした。



まとめ

前評判の高い一番商品購入でトップから攻めていくのは王道ですが、その店舗の自力を信じるなら敢えての脇道からの攻略もアリである。 一番手とは比べものにならないほど手軽に入手出来る二番手から、まずは気軽にチャレンジする。一番手を手に入れる壁の高さに戦意を喪失し、チャレンジせずに諦めることが、人生の喜びを手放していると。それは大変残念なことである。 手軽なところからまずは攻めることにより、そのお店の実力を推し量り、二番商品で満足しても良し、さらに上を目指したくなった(やはり一番が知りたくなった)場合も途中で挫折することなくたどり着けるはずである。

こんな小さな挽肉にもお店の実力が滲む

こんな小さな挽肉にもお店の実力が滲む

実際、サトウのコロッケは中の挽肉がやはり他店と違って「おっ!松坂!?」と、思わせるほどの味わいだった。ジャガイモの中の僅かの挽肉に対して「あ、この挽肉、旨味がある!」と感じさせる実力は、その挽肉がメインになっているメンチの味わいは推してはかるべしである。

買ったコロッケは紙袋にポンと

買ったコロッケは紙袋にポンと

 

5時間経っても油がしみ出していない紙袋の底

5時間経っても油がしみ出していない紙袋の底

さらに、この状態で袋に直接入っているにも関わらず、帰宅してから袋の底を見ても油が滲んでいなかったのは驚愕の事実である。これは油切りや揚げの技術の高さをうかがわせる。それらの力が結集したのがメンチカツなのであろう。

小豆の存在感が残る最高の練り

「赤」と呼ばれる小豆最中

 

「白」と呼ばれる白あん最中

「白」と呼ばれる白あん最中

小ざさの最中に関しても、アンコに対する作り手の気概が真っ直ぐ伝わってくる味わいであった。材料の良さは言うに及ばずだが、練り方や火の通し具合の絶妙さは驚きである。これだけじっくり作り込まれた状態なのに、「豆の存在感」がある最中は初めてです。「甘い」とか「濃い」が先立ちそうですが、ここの最中の中にはちゃんとギリギリの状態で「豆」がいます。豆の有り様をとても良い感じに味わえる絶品の最中が何故並ばずに、それもバラで気軽に買える。むしろそこが疑問に思えるほどです。

並ばずに1個からでも手軽に買えます

並ばずに1個からでも手軽に買えます

是非一度、吉祥寺にお越しの際は列の長さ、大変さに臆することなく、気軽に買える二番手商品から入ってみて下さい。人生のお楽しみがひとつ、確実に増えるはずです。



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